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残価設定型住宅ローン対応住宅についての考察

2022/1/23

既存住宅流通研究所 中林昌人

オートローンは残価設定型に置き換わる?

車の購入にあたり残価設定ローンが普及している。

あらかじめ何年か後の買取り価格分を差し引いた残高に対しての返済額は全額購入に対して割安になる。少ない費用で新車に乗ることが出来、何年か後に新しい車種に比較的容易に乗り換えが出来ることで人気がある。

 単純比較として300万円の車を金利3%で3年ローン(36回払い)で購入すると毎月の支払いは87,240円。3年後の残価が150万円として残価設定ローンを組んだ場合毎月支払いは43,622円と毎月の差額は半額となる。同じ返済額であれば倍の価格の車に乗れることも魅力となる。(実態は残価に金利が掛かるのでこの通りではないが)

今までであれば87,240円を3年間支払い150万円で下取りに出して買い替えていたが、単純に毎月返済が楽になるという点で選択肢が増える。

毎月の返済額が安くなるという事は購買意欲が高まるだけでなく購買力が高まる事にも繋がり各自動車メーカーがこの形態のローンを推奨していることも頷ける。

住宅業界においてのローンはカーローン以上に重要性は高い。キャッシュで購入できる層はほんのわずかでありほとんどの購入者は年収の何倍もの長期ローンを組んでいる。

なぜ残価設定型ローンは自動車市場で広がったか?

元々自動車業界では中古市場が確立していた。

車種にもよるが、何年か後の買取り価格はある程度予想できる。そして下取り額を頭金にして次の車に乗り換える事が通常可している。

それでも現在残高設定型ローンが普及しているのは

  • 毎月の返済を安くすることによって販売促進に繋がる
  • 何年か後に程度の良い中古車の仕入れが約束されている。
  • 同じディーラーでの新車購入が買替の条件となっている。

以上の様な理由(一人の顧客で3回のビジネスチャンスが有る)で各自動車メーカーの顧客抱え込み戦略として拡大している

住宅業界における残価設定型ローンの実情

国土交通省では2020年、住宅用残価設定型ローンを普及させようと官民協力事業として普及の取り組みを始めた。しかし日本に於いては欧米に比べて中古住宅市場の確立がなされておらず10年、20年後の住宅評価基準も曖昧であり各金融機関は残価設定のリスクを取りたがらない。

唯一成立しているのは、新生銀行が旭化成ヘーベルハウスのみを対象とした商品とされている。

これは優良ストック住宅推進協議会を立ち上げた旭化成不動産レジデンスの自社商品査定及び買取りスキームを前提に作られている。スムストック査定を基準として20年後、30年後の自社商品の価値を把握しており買取り及び販売ルートも確立している。

勿論60年間自社商品の維持点検を行い、その記録を保持する長期維持管理システムがその土台となっている。

住宅に残価設定型ローンは必要か?

何らかの理由でその場所での居住期間が10年程度と決まっている人が居るとする。通常だと賃貸マンションを選択すればよいが日本にはファミリー向けの良質な(例えば100㎡以上の)賃貸マンションは少ない。また良質な戸建の賃貸は皆無に等しい。

基本性能の良い(断熱、耐震等)戸建て住宅に一定期間住みたいという需要に対して残価設定型ローンは使い勝手の良い物になる。今までは一定期間居住した後に不動産市場で個別に売却をしなくてはならなかったが、あらかじめ設定された価格で引き取ってもらえるのであればその手間が省ける。実際に自宅の売却は不動産会社の選定から査定基準の確かさの確認等、一般個人としては想像以上のストレスが掛かる。その手間が省けるという事は大いに価値のある事と言える。

 また、今後日本に於いても住居のあり方は多様化している。昭和の時代に有った住宅すごろくの概念も既に消滅しており、終の棲家である一戸建てで一生を終わるという選択肢も減少している。

実際に35歳程度で子供2人の4人家族が100㎡前後4LDK戸建て住宅を購入。二人の子供たちに個室を与えても使われるのは10年~15年のケースが多い。その後はめったに入室しない6畳間が二部屋2階に放置されるという状況が続く。挙句の果てに耐震性能を向上するためには減築をしませんかと言った無駄な投資をする羽目になるやもしれない。

そのようなライフステージの変化をあらかじめ読み取って一戸建てに住むのは子育て期間中の15年と決めてその後は夫婦二人で小ぶりのマンションに移住するという計画を組んだ場合、15年間の返済金額を減らしてその分貯蓄に回すという選択肢が現れる。ローン返済に縛られる比率が減少し、マネープランの自由性が増すことになる。

勿論、現在の様な不動産の買替という選択肢もあり適正価格で売却できるように維持管理に努めるという選択肢もある。しかし前出の売却にまつわる不動産業者とのやり取りのストレスを考えると今まで仕方ないと思いっていた事を避けるという選択肢が現れる。

国土交通省が推奨しようとしているのになかなか実現しない理由

車で出来て住宅で出来ない理由

  • 車には車検があり、3年後5年後の性能が保証されている
  • 車には中古車市場が出来上がっている。新車6割中古車4割
  • 車検以外にも定期点検制度があり、オイル等消耗部品の交換は常識になっている。

日本の戸建て市場では

  • 一般住宅の維持管理は義務つけられていない。外壁、屋根の塗り替え等必要なメンテナンスの実行は個人任せとなっておりその実施率は計る事が出来ない。長期優良認定住宅では30年間の維持管理と記録保持が義務つけられているが主体者は個人(オーナー)でありその内容や手段は確認のすべはない。
  • 中古住宅の流通量は全体の約17%(市場そのものが小さい)。
  • 中古住宅の質や価格を決定する明確な基準が無い

とされており、安心して購入できる商品が無いので市場も貧しい

ではどのような中古住宅であれば安心して購入できるのか?

車であれば、事故や故障の履歴が無く点検の記録が有り消耗部品の交換等の整備がされていれば安心して購入できる。価格構成の要因は走行距離や人気の有無とされる。

走行距離はその車の耐用年数や走行可能距離から逆算することになり残りどれだけ快適に使用する事が出来るかどうかという価値である。

人気はその新車時における人気や総販売台数等が影響してくる。

それを住宅に置き換えてみた場合どうなるか。

残価設定型ローンに対応できる商品(住宅)とは

  • 新築時の資料が揃っている。建築請負契約書を始め、建築確認申請書類や検査済証等建築主が工務店から受け取る資料が全て揃っていれば購入者の安心感は担保される
  • 長期修繕計画が存在し、定期点検と併せてその計画通りの修繕がなされており記録が存在する。車検と同じ理屈である。大手ハウスメーカーでは自社による点検と記録保持があるが、この点検内容の確からしさ(エビデンス)は大手である事の信用力が担保している。一般的な工務店ではどうか?

ハウスオーナーと工務店の間での点検記録の共通化は特に問題は無い。

しかし、其のデータを基にその住宅の価格査定を購入者が判断する場合はどうであろう。やはりそこは民間車検場の様な一定の資格を持つ第三者による点検が必要であろう。そしてその点検記録は部外者による改ざんを防がなくてはならない。

ブロックチェーン等の技術を利用した公的記録として保管されていることが望ましい。

具体的な点検記録とその修繕内容

  • 新築後2年、5年、10年その後は5年毎の定期点検。点検内容については国交省推奨の一次インスペクションや、プレハブ協議会監修のスムストック住宅診断等を参考に内容を公にする必要がある。
  • 屋根、外壁、基礎等構造躯体に関する修繕は長期修繕計画通りに実行されている事。当然、施工者、その仕様書価格等の記録は蓄積していく事が必要

評価基準(仮称Rストック評価システム)

新築価格(請負契約書がある場合はその価格それ以外は推進センターの標準価格を利用)

の60%を躯体の価格 40%を内装設備の価格と仕分ける。構造躯体と内装設備の償却を分けて評価する。

また新築時に於ける工事中の第三者機関による品質検査や、地盤保証等は構造躯体価格の評価ポイントを一定数割増する。その後は既に普及しつつあるスムストック査定と同様に土地価格と建物価格を分けて査定、表示する。

構造躯体価格

上記のメンテナンスを実施し記録がある事を条件に下記の査定方式で計算する。

AAA 長期優良認定住宅の構造躯体耐用年数は100年で計算

AA   劣化等級3 構造躯体 耐用年数   75年

A   劣化等級2 構造躯体 耐用年数   50年

上記以外      構造躯体  耐用年数  30年条

*5年毎に瑕疵担保責任保証が延長されている場合は評価を一定数アップさせる

*5年毎に防蟻処理が施されている場合は評価を一定数アップさせる

内装設備

基本は20年で償却。但しリフォームをした場合施工金額の70%の額を復活。そこから20年で償却

長期優良認定住宅査定価格の減価イメージ

残価設定手法

上記条件を満たした前提でX年後の査定価格を算出。

買取り前提として80%の価格設定を行う。この買取り価格分を新築価格から控除した金額でローンを組む。

市場形成

上記条件を満たした(点検・修繕済み)の優良なストックを包括的に管理する事が必要。

イメージとしては共通のフォーマットで維持管理を行う団体を作り維持管理の内容を公開できる前提で管理する。

そしてその物件の売却及び買取りを引き受ける不動産業者のネットワークを作る。このネットワークは上記Rストック評価システムに基づいた査定価格にて買取りを行う。

定期的に一定数の良質な中古住宅が供給される事となり、取り扱いが増える事をメリットと感じる不動産業者が参加する事が予想される。また工務店自身も業態を新築一本からリフォーム、そして自らの施工した物件の買取り再販業へシフトしていくことも生き残り戦略として重要な課題だと言える。

期間満了後の選択肢

車の残価設定ローンと同様に次の選択肢も用意しておく必要がある。

  • 残金を一括払いして所有を続ける。
  • 残金に対して再ローンを組み住み続ける

3.リースバックで家賃を支払い住み続ける。一般のリースバックと異なり売却資金は取得できないが賃貸物件として住み慣れた家に住み続けたという希望はありえる。

残価設定ローン対応型商品の企画スケジュール

  • 1 別紙残価設定型ローン対応住宅条件一覧表に準じた長期メンテナンス商品の開発

・当面は工務店向けの商品とする。必須の3条件は標準とし、その他はオプションとして顧客に選別してもらう

2 Rストック査定基準の完成。

・上記条件に基づく査定プログラムを作成。現場にて簡便に利用出来るよう単純化する必要がある。3

3 関係各省、金融機関との調整。

・管轄は国土交通省住宅局だと思われる。対応の可能性がある金融機関は新生銀行やハウスメーカーが出資している日本住宅ローン、イエール等IT系も考えられる。

4 不動産業者ネットワークの構築。

・スムストックを取り扱うメーカー系不動産会社10社 その他取引時にインスペクョンを推奨している「売却の窓口」等既にあるネットワークへアプローチ。

以上の体制が構築できれば残価設定型住宅ローンを利用しないとしても日本の住宅の価値維持と個人資産の保全が可能となり、国土交通省が長年思い描いていた健全な既存住宅流通市場の拡大の可能性が高まります。その為の切り口としてご理解いただければ幸いです。

また残価設定型住宅ローンを利用することによって年収の8倍以上という高価格で高止まりしている首都圏の住宅購入をあきらめていた層にも無理のない形で購入できる可能性が出てくることでしょう。

所有と賃貸以外の選択肢が現れることで日本人の住宅に対する意識が変化し、一生涯住宅ローンに縛られるという不都合な真実からの脱却の一歩となることを信じて当企画書を作成しました。

関係各位におかれましては是非とも実現へのご助言、ご協力をお願い申し上げます。

以上

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株式会社家価値サポート社長インタビュー

(リフォーム産業新聞)

【家価値サポート社長インタビュー】440社の点検引き受け

家価値サポート

中林昌人 社長

リフォーム産業新聞 1387号 (2019/12/02発行) 16面

アフターメンテナンスのアウトソーシングを行う家価値サポート(東京都品川区)。現在440社と契約し、家の資産価値を守るセーフティネットとしてサービスを展開している。中林昌人社長に、アフターメンテナンスの重要性と今後の展望を聞いた。

適正なメンテを普及

――アフターメンテナンスのニーズは高まっているのでしょうか。

 私はハウスメーカー出身ですが、新築を建てて10年が経過したお客様たちの多くが、その後の家のメンテナンスに不安を感じていました。法律的に10年は定期点検をしてくれるけれど、それを過ぎたら知らん顔という業者が多いからです。さらに、そこに目をつけ、悪質な営業をかける業者もいるので、お客様からすればどこに点検を頼めばいいのかわからなくなってしまう。適正なメンテナンスサービスを求めるユーザーは今後も増え続けると思います。

――ハウスメーカーは点検を仕組化していますが、そこが安心感につながっています。

 ハウスメーカーなどは、60年間の定期点検をウリにしているところも多いですよね。そこに魅力を感じて、多少価格が高くてもハウスメーカーに依頼するというお客様も実際に多かった。ハウスメーカーの営業マン時代は、私自身もアフターサポートの年表をクロージングの武器にしていました。

――維持管理をすることにより、今後資産価値に影響がでる可能性もあります。

 ストック流通が増えるこれからの時代を考えれば、資産価値の観点でも、維持管理の重要性は上がるはずです。たとえば、関東大震災の3倍の揺れに耐えられる家であれば、維持管理さえされていれば、その性能は20年経っても変わらない。一方で、同じ価格で建てた家でも、維持管理がされていなければ20年後の資産価値は0に等しい。どちらが得策かは、説明すれば誰でも理解できるはずです。

5年ごとに訪問

――「家価値サポート」では60年のメンテナンスを外注できるわけですね。

 ビルダーやリフォーム会社といった契約会社から委託を受け、5年ごとにお客様のところへ出向いて点検し、メンテナンス計画の作成や住宅履歴の管理・更新を行っています。リフォーム会社は手間をかけずに受注が取れますし、お客様は定期点検のおかげで適切なリフォームができます。

――メンテナンス計画はどのように立てるのでしょうか。

 その家ごとに見合ったメンテナンス計画を立て、処方箋通りに点検、修繕を行っていきます。そしてその履歴を当社が記録として預かります。資産価値の観点で特に重要視するのは、耐震性と断熱性の維持。基準にするのは性能表示制度です。

――現在、契約会社数はどれくらいですか。

 約440社で、動いている物件は2000戸くらいです。定期点検10年分の初期設定は約30万円~。この中には5年目の防蟻費用も含まれます。日本長期住宅メンテナンスと連携し、防蟻の点検・処理についてはお任せしています。

資産価値向上を

――ただ、まだまだメンテナンス費用を定期的にかけているユーザーは少ない。費用を提示した際の反応はどうでしょう。

 嫌な顔をする人もいます。ただ、メンテナンスをすることで30年後の資産価値がどうなるのかを提示するのは、建築業界の良心ではないかと思っています。第三者的な家の維持管理業社として見守ることで、ユーザーは家の資産価値を保て、買う人も価値のある家が手に入る。そうした良いループを作ることが、日本の既存住宅流通に一番必要なことではないでしょうか。

――定期的なメンテナンスにかかる具体的な費用はどのくらいと想定していますか。

 年間平均28万円です。今後はオプションとして、修繕積立金の積立モデルを作る予定です。これが実現すれば、建築業界と維持管理業界がタッグを組んでお客様に適切なサービスを提供できるようになります。

――今後の展望は。

 まずはリフォームネットワークと連携し、工事をしっかりと回せるようにすること。あとは、維持管理の出口として、不動産会社とのネットワークを構築することです。不動産会社と連携できれば、「本当にこの値段で売れるの?」というユーザーの不安も解消できる。きちんと維持管理された物件に適正な査定金額が付くように、中古流通の仕組みそのものに切り込んでいきたいと思います。

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家価値60年サポートという商品

2017年 6月 優良ストック住宅推進協議会を退任

住宅の寿命と価値を長持ちさせる仕事に8年間従事していた私は日本の戸建て住宅の7割を占める工務店が作る木造住宅に対して長期点検維持管理システム「家価値60年サポート」という商品を作りました。

家価値60年サポート | 商品紹介 | 一般のお客さま | ハイアス・アンド・カンパニー株式会社 HyAS & Co. Inc.

当時「住宅を資産に」を理念としていたハイアス・アンド・カンパニー社と共同して「株式会社家価値サポート」を設立

news_pdf.php (hyas.co.jp)

建築家と作る高性能木造住宅「R+ハウス」を作る工務店向けに商品展開を行いました。

ハイアス、長期アフターメンテ事業を強化

不動産ニュース / 仲介・管理

R.E.port

2019/6/26

適切な時期に適切なメンテナンスを施していくことが住まいの資産価値を維持することに繋がると訴える中林氏
ハイアス・アンド・カンパニー(株)は、戸建住宅向けの総合アフターメンテナンス事業(家価値サポートサービス)への取り組みを強化する。今年5月、同事業を会社分割し、新会社「(株)家価値サポート」(東京都品川区、代表取締役社長:中林昌人氏)を設立。25日、工務店関係者などを対象にした設立記念講演会を開いた。
 同事業は2018年4月から開始しているもの。顧客の長期のアフターメンテナンスニーズに対応できない中小の工務店をターゲットに、建築後60年間の長期修繕プログラム、住宅履歴管理・更新、定期点検、防蟻工事・保証をパッケージで提供。工務店が万が一倒産した場合も、第三者機関でサポートを継続できるのが特徴。すでに、400社超の工務店とその顧客にサービスを提供している。サービス価格は、標準プランで戸当たり27万円(防蟻保証5年間)。
 講演会では、中林社長が同社のサービスを核にした、新築着工減少局面でのストック型ビジネスモデルについて解説した。同氏は建物の品質が軽視され、建築後20年で価値ゼロとなる業界慣習を指摘。「住宅事業者による長期的なアフターサポートは極めて少ない。どんな家でも手入れされなければ朽ち果てる。良質な既存住宅が市場にないからユーザーが買わない。供給者と流通業者が消費者を不幸にしている。適切なメンテナンスで木造住宅の快適性と資産価値を長持ちさせ、購入価格で住まいを売却できる社会の仕組みを作りたい」と抱負を述べた。
 また、資産価値を維持するためには、点検やリフォーム等に年間平均28万円前後をかけていく必要があるとし、「アフター領域からの収益を獲得していくことで、新築に依存しないロングスパンの収益構造が確立できる」とアピールした。
 同社は、向こう3年間でサービス利用社を1,000社まで拡大。対象管理戸数も1万戸超を目指すとしている。

re-port.net/article/news/0000059417/

この画像は会員工務店様向けに「長期的な住宅維持管理を行いその記録を保持することが工務店経営に如何に大切か?」という内容を解説したセミナーです。

家価値社ポート社の代表 中林氏による会員向け導入セミナ vo1 日本の中古住宅はなぜ20年で価値がゼロになるのか?なぜ資産では無く負債になってしまうのか?を分かりやすく解説。

家価値サポート社の代表 中林氏のセミナー2 日本の既存住宅流通を変えたスムストックとは? なぜ20年以上も住宅の価値が維持できるのか?その秘密を分かりやすく解説。
市場の動向とこれからの住宅産業者生き残り戦略を分かりやすく解説。
ハウスメーカーはどのようにして地元工務店を競合排除しているのか?その秘密トークを初公開

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マンションの長期維持管理についての考察

副題 快適に100年以上住めるマンションを作る

2020年 国土交通省は日本の居住形態のスタンダードとなりつつあるマンションに関し「マンションストック長寿命化事業モデル」を募集し始めた。区分所有法という特殊な権利形態で多数の所帯が一棟の建築物を共同所有し住み続けるという今までに日本に無かった形態の今後を憂慮する試みだと思われる。その募集に対して私が所属するとある建築士の集まりが応募した案の中で、ただ単にハード的な長寿命化だけではなく資産価値を維持しつつ区分所有が個々の財産となるような仕組みについて提言致しました。

1.マンションの適正な寿命について

鉄筋コンクリート造りのマンションの寿命に関しては諸説ありますが管理の状況に左右されることは言うまでもありません。既に築50年程度で住居としてふさわしくないような廃墟物件も散見されます。コンクリートの躯体そのものが劣化している場合は建替えも検討しなければならないのです。

しかし、マンションの建て替えに関しては色々な問題があり、大幅な容積率アップというボーナスがあった場合のみ成功しているようです。現に築40年以上旧耐震のマンションストック数が約104万戸(マンションストック数の約16%、令和元年末 国土交通省資料)ある中で建て替え終了した物件は254棟。104万戸を平均戸数52戸で割ると2万棟。建て替え率はたったの1.3%。

 物理的な制約や、資金計画、そしてなにより区分所有法で定められた5分の4の賛成という合意形成。そして反対者の住戸の買い取り等、マンションの建て替えがいかに困難であるかが理解できます。

そもそも、マンションの躯体は鉄筋コンクリート造です。

法定耐用年数という税務上の概念によるとマンションの寿命は47年とされていますがこれにはほとんど意味がありせん。例えば木造住宅の耐用年数は22年であり多くの金融機関はこの耐用年数に応じてローンの返済期間を設定しています(投資アパートのの場合)流通業界においても築22年で木造住宅の評価はゼロ円と言う悪しき慣習がまかり通っています。

その一方で国土交通省が推奨している長期優良住宅においては木造であってもその躯体の耐用年数は100年とされています。最もその間定期的に修繕(メンテナンス)工事を行う事が前提です。

そして、平成25年の「中古流通促進・活用に関する研究会」報告書では鉄筋コンクリート造の集合住宅(マンション)における物理的寿命を117年と推定した事例(飯塚浩(1979)「建築の維持管理」が紹介されています。

本当に旧耐震だからといって築40~50年のマンションを建て替えなければいけないのでしょうか?現行の区分所有法における建て替えの合意形成が困難であること、そして解体工事が環境に及ぼす影響を考えてもマンションは耐震性能向上を施した上で構造躯体及び給排水管等の生活必要設備を適正な維持管理を継続する事によって100年以上もたせる。そして区分所有内部は住宅設備等の交換やライフステージに合った間取りの変更等で居住者構成にあった快適な住まいとして存続し続ける住まいであることが必要なのではないでしょうか。

2.マンション寿命長期化に必要なこと

①長期修繕計画期間の延長と精微化

現行では新築マンションの長期修繕計画の策定は30年以上とされており、修繕金の積み立額も第一回目の大規模修繕(12年から15年程度)までしか考慮されていないケースが多いと思います。また、通常マンション分譲業者は新築販売時の長期修繕積立金の額を低めに設定しており第一回目の大規模修繕時に積立金不足が露呈することが多いとされています。

本来であればマンション管理組合は分譲業者から引き渡しを受けた段階でまず第一回目の総会で長期修膳計画をコンクリート構造の耐久年数を考慮して最低100年以上の計画立案する事が必要となるのです。

当然の事として維持点検及び補修の内容は全てデータとして長期間保管する体制も構築することが必要。区分所有者すなわち組合員が自らの意思で自分たちの家を長期間快適に住み続け、なおかつその資産価値を維持するという目的に向かって動くかどうかがマンションの長寿命化に取って一番大切な事であると思います。

ではどのような長期修繕計画が必要なのか?

②管理組合の適正な活動における所有と経営の分離案

管理組合の運営と会社経営の親和性

上記修繕計画を可能にするには長期間にわたる安定した資金計画が必須条件となります。そして資金計画は収入と歳出のバランスが一番大切です。

歳出の中心である保全工事も建築工事費用と同様積算の精緻化が求められます。

新築マンションの購入者はその価格に占める建築コストを知るすべはありませんが、後のすべての補修保全費用に関しては自らが毎月支払う管理費や修繕積立金から支払われるわけでいうなれば自らがコントロールできる範疇と言えます。

管理費、修繕積立金は当初はマンション分譲会社が指定した管理会社によって予算化されているのですが各項目には見直しをする事で削減できる費用もあります。

実はこれは会社経営でいうところの売り上げと経費の関係に相当するのです。しかし殆どの組合員は建築に関して素人であり自らでのコスト分析は不可能です。そしてそれは組合員の代表である理事長も同じこと。

そこで、管理組合の運営を会社経営とみなしてみるとどうなるでしょうか。理事長は社長、理事は役員、そして組合員は株主。マンションの資産価値は株価と置き換えてみます。

理事長(社長)はマンション全体の住人が快適に暮らす環境の(会社員が快適に仕事をすることが出来る)提供と共に毎年の管理費の使用状態をチェックし(年度決算を黒字化する事に責任を持ち)マンション全体の資産価値向上(株価の長期安定及び価格上昇)の施策を打つのが仕事と改めて再定義を行うのです。

もちろん、組合員(株主)に対して長期修繕計画(中期経営計画)を提案し信任を貰うという手続きを踏む必要性もあります。

また管理費、修繕積立金の滞納問題についても現状では管理会社は督促状を3回まで送付する義務のみでそれ以上の責務は免除されています。長期滞納に対する債権回収のノウハウも民間企業に準じたやり方があると思われます。結局マンション管理組合活動は本来は株主から委託を受けた専門家がその知見と実行力を屈指して行う経営を素人が行っていることになります。だから多様な問題が発生しすることは必然という事になってしまいます。

管理組合の法人化と理事長代行会社の活用

現法(区分所有法)及び旧標準マンション管理規約では区分所有者全員による自治管理が前提での運営が求められていたので、殆どの管理組会の理事及び理事長、監査役等は区分所有者で構成されています。現理事や理事長に関していえば70%に組合が輪番制であり、専門家でも無い人がやりたくもないのに無理やりやらされているという人が殆どなのではないでしょうか。なにかPTAの役員問題みたいですね。

更に全くの素人が何億円もの予算を管理し、大規模修繕時にはプロの業者と渡り合わなければならないのです。また管理会社も当然自社の利益誘導を主眼としてアドバイスをするケースも多いです。そこで管理組合として有料でプロのコンサルタントを雇っても逆にそのコンサルタントが業者と癒着しているというケースもあります。素人集団がこの様な悪意を持って接してくるプロに対抗することは非常に困難であると言わざるを得ません。

一般的には管理組合員すなわち区分所有者全員が経営参画を行う事がそのマンション全体の価値を高める行為だとされています。年1回の総会出席率を見るとそのマンションにおける参画意識が図れ、その率が高いマンション程資産価値も高まるといわれています。しかし、参加者が多ければ意見も多種多様なとなり、参加者がそれぞれの主張を行い罵声や怒号が飛び交い総会が成立しない事例もあります。そのコントロールを素人の理事長がコントロールすることは容易ではないと思います。一方、活動に興味を示さない組合員が多数のケースでは長期間理事長をしていた人間が積立金を使い込む等の事件も散見されており今後も増加傾向の心配があります。

そこで素人が輪番制で組合の運営を行う事自体元々無理な事と言う認識に立てば解決方法が見えて来ます。

仮に管理費2万円、修繕積立金1.5万円、世帯数100世帯の標準的なマンションで考えてみると管理費月200万円年間2400万円。修繕積立金150万円年間1800万円。年間合計4200万円の予算の執行が素人によって行われているということですね。

大規模修繕に至っては年間1800万円×15年=2億7000万円という大金を素人集団である理事及び管理組合員が意思決定することになります。そして大半の組合員は特に興味を持たないので理事に委任するか、逆に素人考えで無駄な金は使うなという主張と最新の設備に入れ替えるべきだという意見が対立し混乱を極めるケースも出て来ます。

これを会社の経営に置き換えてみると年間4200万円の予算執行を何の責任も取らない素人社長が采配し、会計監査も会計知識が全く無い素人がめくら判を押していることになるのです。この会社がどのような経営状態になるか想像するに難くないですね。これが現在の日本におけるマンション管理の実態と言えるのではないでしょうか。

したがって、満足に積み上がらない修繕積立金問題や相続拒否による管理費、修繕積立金の滞納問題が起きます。会社経営でいえば債務超過による経営破産状態に陥っているマンションが既に日本国中に溢れています。すべてのマンションが廃墟化に向かってまっしぐらと言っても過言ではない状態と言えるかもしれません。

標準管理規約の改正

平成28年、あらゆるマンションの管理規約の雛形として活用される国土交通省監督の「標準管理規約」第35条管理組合の役員に規定が改正されました。当初は理事や理事長は現に居住する区分所有者の中から選任するという規定が平成23年には居住という条件が廃止、そして平成28年には「外部専門家を役員として選任できることとする場合」という条文が追加されたのです。いわゆる第3社管理方式が可能となり、マンション管理運営にプロが参画できる条件が揃った分けです。

令和3年時点で理事長代行を業として行っている団体は既に何団体化が存在します。マンション管理士の団体や管理会社、不動産投資会等多種業態から参入しています。

料金も月額10万円程度から30万円程度と開きがあります。こうなると管理組合はどの理事長代行会に任せるべきかで戸惑いが生じることになりますね。現時点で国の承認を得ている公的な団体は無いようです。

そこで当会では日本建築士会連合会会長が中心となり一級建築士と宅地建物取引士で構成するNPO団体(仮称)「日本のマンションを守る会」を母体とした精緻な修繕計画や積算の正当性を担保出来る主体によるマンション管理運営を会社経営になぞらえて運営する手法を提案したいと思います。そこで当会では現存の管理組合の運営を可能な限り理事長代行会社に移行することを前提として下記の活動を提案します。

以下は「日本のマンションの長寿命化を図る」提案内容です

先ずは建築士、弁護士、マンション管理士等のスペシャリストが集まり、「(仮称)マンション管理組合適正化協議会」を組織する事。これは国土交通省の外郭団体が望ましい。

当該団体の業務内容

1.理事長代行会社の適切な業務内容標準化

  • 理事長代行会社の業界団体を組織化し優良認定を行う
  • 理事長代行会社への移行メリット訴求活動
  • 苦情受付窓口と理事長代行会社への指導

2.現行問題に対する資金的解決方法

マンションを100年以上維持するには長期修繕計画とその実施が必須条件となるが理事会運営の他に下記のような問題点が考えられる

1.世代交代による所有者不明問題

区分所有者死亡による相続登記が義務化されていないため管理費・修前積立金の回収が不可能になる

2.高齢化、一人暮らし世帯の増加による供出金不足

 築年数経過マンションにおいては外壁塗装や給排水管交換等大規模修繕の実施について既に修繕積立金が不足している場合一時金の供出が求められるケースがある。通常は理事会が起案、総会の過半数もしくは3分の2の賛成で可決する。

しかしながら、高齢単身者等で供出をしたくても出来ない、したくないという人が居れば実行は不可能となってしまう。今後のマンション維持の大きな問題点である。

対策案

  • 管理組合による区分所有権の買い取り

管理組合は区分所有者がいる限り継続していく。新築時に世帯数分の区分所有者によって構成された管理組合はその後世代が変わりながら引き継がれて行く。

現民法では区分所有建物の解体及び敷地権の売却は全員の同意が必要とされている。したがって区分所有権の解散をにらんで管理組合を運営する場合、管理組合による区分所有権の買い取りが考えられる。時価で購入の後、賃貸運用をする事によって管理費・修繕積立金の確保と運用益による一時金の供出も可能になる

2.リバースモーゲージによる高齢者対策

自宅を担保に金融機関から融資を受け、生存中には利息を支払い死亡時に物件を売却して一括返済して支払う仕組みであり高齢者が自宅に住みながら一括で資金を得る事が可能になる。融資額から修繕一時金を支払い、残りを生活費に充てることができるという融資スキームである。一般的にはマンションでは利用できないケースが多い。金融機関が土地本位でしか担保評価したがらない事と、マンションの資産減少リスクが読めないことが原因と考えられる。

今回の提案のような100年資産価値維持事業マンションにおいては資産価値維持対策を施したマンションの資産価値を金融機関に提示することができるので融資の可能性が考えられる。また通常であると売却は相続人によるが、本スキームではあらかじめ相続人の同意を得て、管理組合が買い取り保証額を提示し死亡時買い取りを行う事によって金融機関の同意を得る事が出来る。

3.リースバック方式による資金確保

自宅をいったん売却し、その後家賃を支払って住み続けるというスキーㇺ。売却後に家賃を支払い続けることが必要だがまとまった資金が手に入る事はリバースモーゲージと同様だが相続人の同意がなくても実行可能。現在、一部の不動産業者と金融機関が実施している。

一般的にリース料(年間家賃)は売却価格の8%~10%とされている。例えば3000万円で売却した場合、年間240万円~300万円÷12=20万円~25万円であり相場より高額となる。10%の家賃を支払い続けることは10年で資産を食いつぶすことになる。買い取り業者がとても儲かるスキームと言わざるを得ない。

仮に75歳でこのスキームを利用した場合85歳で資産を食いつぶすリスクが発生する。当事業モデルではこのリースバックを管理組合が主体的に行い利回り5%程度で回るスキームを模索したい。

ピュアコート三鷹 2DK(55.5)を事例に取ってのシミュレーション

売却価格 3100万円

想定家賃 15万3千円(利回り6%)

3100万円÷(15.3万円×12カ月)=17年。

仮に75歳で利用した場合92歳で終了となる。

ここで、管理組合法人として現時点での平均寿命をもとに算出した完済年齢に基づく家賃設定を行う事が考えられる。

つまり、92歳で完済した後は管理費と修繕積立金のみの支払いで住み続けられるという特約を付ける事で老後を安心して住み続けることができる。

以上 マンションの長寿命化策についての3つの策を提言します。

この提言は民間と国が協力して初めて実行できる内容です。

このまま対策を講じなければ日本のマンションは全てが廃墟化の道を歩みます。ハード面、ソフト面両面から考察した本提言を是非採択して頂き全てのマンションの長寿命化を実現するべきであると思います。

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住宅の価値とは?

住宅の価値とはなんでしょうか?家族を災害から守るシェルター。一家揃って過ごす団欒の場所。頑丈で快適な暮らしができる性能が無ければなりません。その為に人は生涯賃金の3分の1を投入するといわれています。何千万円と言う高額商品です。今は35年間返済するローンで購入することが一般的です。家を購入することなく一生賃貸住宅で過ごす人もいます。よく、家賃はお金をどぶに捨てる様な物だから早目にローンを組んで家を購入した方が得になるという人がいます。いやいや、ローンに35年も縛られるのはリスクがある。賃貸生活をしていればローンが無くて自由だという人もいます。持ち家と賃貸どちらが得?という特集を組むと住宅雑誌の売り上げが伸びるという話もあります。

実際のところ、どちらが得か?という話には正解はありません。ただし、どんな家を買えば損をしないか?という話にはある程度答えがあります。

上のグラフは日本人が1969年から毎年20兆円住宅購入し約40年後の2011年で累積860兆円に達したけれどその価値は340兆円しか無くて500兆円がどこかに行ってしまったという事を表したものです。国土交通省が2015年頃に発表しました。

これは日本の戸建て住宅が築20年で建物評価がゼロになってしまうと言う悪しき習慣の合計金額です。500兆円といわれてもピンと来ないと思います。例えば2500万円で土地を購入、2500万円で家を建築。計5000万円の買い物をした人がいるとします。その人が20年後に自宅を売却しようと思ったらなんと土地価格の2500万円でしか売れなかった。そんな感じで自宅で2500万円損した人が200万人いらっしゃると言う事なのです。

こちらは同時に国交省が発表したアメリカのグラフです。同じように購入した住宅価値が全く下がっていないと言うことを表しています。

日本では購入後20年で価値がゼロ。アメリカでは購入価格で家が売れる。どちらが豊かな生活を送れるか?考えるまでもありませんね。

さて、ここでもう一つ問題があります。普通の人は自宅を購入する際に住宅ローンを組みます。まとまった自己資金が無くても住宅を手に入れることが出来る魔法のようなシステムですね。でも、ローンは長期の借金ですから返し続けなくてはなりません。現在はほとんどの人が35年返済、そして住宅金融支援機構のフラット35以外は殆ど変動金利です。そしてローンの返済が完了するまで住宅は自分のものではありません。

もちろん自分の名義で所有権保存登記を行って対外的には自分の物であると主張することは出来ます。でもローンを組んだ金融機関はあなたの家に抵当権という権利を登記しています。これはローンの返済が半年以上滞ると毎月一定額を返済していく権利がなくなります。つまり一括返済を求められる訳です。毎月の返済が滞るのですから一括返済など出来ようもありません。でも金融機関はそれなら住宅を処分して返済しなさいと迫ります。なぜならお金を借りる時に金銭消費貸借契約書でお互いそういう約束をしているからです。実際そのような状況に陥っている人は大勢います。

せっかく手に入れた夢のマイホームを仕方なく売却してそのお金で銀行に借金を一括返済したら家族共々その家からは追い出されます。そしてアパートに引っ越しをして今度は家賃を払い続ける。辛いですね。ここで更につらい人とそうでない人の運命が分かれることをご存知でしょうか?それは自宅を処分することで借金を清算して手元にいくばくかのキャッシュが残る人。取敢えず借金だけは清算できる人。この方達は未だ救われます。問題は自宅を処分しても清算に至らず、アパートの家賃を支払いしながら銀行に借金返済を続けなくてはならない方です。

家の価値は20年でゼロなのにローン返済は35年続く。するとどうなるかを表したのが上のグラフの左側のピンクの部分。自分が抱えている借金が自宅という資産を上回っている。つまり負債を抱えているという期間が何十年もあるということです。この状況は企業でいえば債務超過。いつ倒産してもおかしくありません。そしてこの期間に自宅を売却せざるを得なくなった方は先ほどの三番目の状況になってしまいます。あまりマスコミ等では取り上げられておりませんが、日本ではこのように自宅を処分してもローンの返済が出来ずに苦労されている人が多いということは重要な問題ではないでしょうか?

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既存住宅流通研究所とは?

住宅購入で不幸にならない世界を作りたい

日本の既存住宅(中古住宅)流通の問題点と解決手法を研究しています。大手ハウスメーカー9社で立ち上げた「優良ストック住宅推進協議会」の元メンバーであり、国土交通省の「中古住宅市場活性化ランドテーブル」の委員を経験する中での経験を基に欧米の様に自宅(戸建住宅)が個人資産となる世界を目指して各種提言を行っております。